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採血による溶血の影響

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採血による溶血の影響

採血が上手くいかず溶血してしまい、再採血する場合があります。 

溶血の影響について解説します。

溶血とは?

・赤血球が壊れて内容物が漏れ出る現象を溶血といいます。

・採血が上手くいかず、無理にシリンジを引っ張ったりすると、溶血が生じます。

溶血はどんな影響があるの?

・溶血してしまうと、下記のような原因で、いろんな項目に影響がおこります。

漏れ出た成分の混入

・赤血球内にはカリウムLDHなどの成分が、血漿よりも多く含まれています。 

 そのため溶血すると、これらが血漿に混ざり、濃度が高くなってしまいます

・溶血の影響で濃度が高くなる項目

  カリウムLDH、AST、NSE、葉酸など

漏れ出たプロテアーゼの影響

・赤血球内には、ペプチドホルモンの分解酵素であるプロテアーゼが含まれています。 

 そのため溶血すると、プロテアーゼの分解により、濃度が低くなってしまいます

・溶血の影響で濃度が低くなる項目 

  インスリン、ACTH、BNPなど