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凝固検査に量不足・赤血球増加が与える影響

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凝固検査に量不足・赤血球増加が与える影響

凝固検査は血液と抗凝固剤を一定比率で混合する必要があり、

検体量や赤血球数の影響を受けます。
今回は、凝固検査の量不足・赤血球数の影響について解説します。

量不足の影響

・量不足となる場合、血漿に占める抗凝固剤の割合が多くなってしまい、

 検査時に添加する塩化カルシウムが抗凝固剤によってキレートされてしまいます。

 そのため凝固時間は延長してしまいます。

・量不足で規定量に満たない場合、定量を再採血する必要があります。

赤血球数の増加の影響

・赤血球数が増加する場合、血液に含まれる血漿が少なくなってしまい、

 血漿に占めるクエン酸Naの割合が多くなってしまいます。

 そのため凝固時間は延長してしまいます。

ヘマトクリット値が55%を超えると、クエン酸Na量の調節が必要とされています。