特殊な検査に用いる採血管
採血管の中には特殊な検査項目にのみ使用する採血管があります。
今回は特殊な検査項目にのみ使用される採血管について解説します。
※使用する採血管は施設により異なるため、あくまでご参考にして下さい。
ACD-A入り採血管
・ACD(Acid-Citrate-Dextrose)とは輸血用製剤にも使用される血液保存液であり、
・組成の異なるACD-AとACD-Bがあり、血液との混合比が異なります。
・主に血小板の表面に結合しているIgGを測定する検査に使用します。
・項目:血小板関連IgG
抗血小板剤入り採血管
・生体内における血小板の活性化状態を把握する検査に使用します。
・具体的には、血小板内のα顆粒にのみ含まれるタンパク質の血漿中への放出量から、
血小板活性化の程度を検査します。
・抗血小板剤として、テオフィリン、アデノシン、ジピリダモール、クエン酸Na、
クエン酸が含まれています。
・血小板の活性化や血漿への混入を避けるため、採血管の冷却、厳密な遠心条件、
分注時の血小板混入の回避等、検体の前処理に注意を要します。
・項目:血小板第Ⅳ因子、β-トロンボグロブリン
アプロチニン入り採血管
・プロテアーゼ阻害剤であるアプロチニンを使用することで、
ペプチドホルモンの分解を抑制しています。
・アプロチニンとEDTA-2Na入りの採血管が使用されます。
・項目:グルカゴン、ANP
除タンパク液入り採血管
・乳酸・ピルビン酸は採血後に全血のまま放置すると上昇するため除タンパクする必要があります。
・除タンパク液としては0.8N過塩素酸が用いられています。
・項目:乳酸、ピルビン酸
遮光採血管
・一部の検査項目は光により分解され低値となる場合があるため、
遮光された採血管が用いられます。
・コプロポルフィリンの場合、ヘパリンNa入りの採血管が用いられます。
・項目:コプロポルフィリン、ウロポルフィリン、プロトポルフィリン