臨床検査のお役立ち情報

臨床検査技師が臨床検査を勉強する備忘録ブログです

畜尿に使用する添加剤や保存剤

一日に排出される尿量や尿成分を調べるために蓄尿を行う場合があります。

しかし尿を長時間放置すると、増殖した細菌が尿素を分解してアンモニアが生じ、

尿がアルカリ性となり検査に影響を及ぼす場合があります。

また尿中に含まれる酵素により成分が分解されてしまう場合があります。

そのため畜尿の際には項目に応じて添加剤や保存剤を添加します。

 

酸性畜尿

酸性添加剤を添加して蓄尿します。

従来使用された6N塩酸は劇物であるため、

現在ではその代替品が使用されています。

尿を酸性にすることで尿中カテコールアミンやその代謝産物の分解を防いでいます。

アルカリ性蓄尿

炭酸ナトリウムを含む安定化剤を添加して蓄尿します。

従来使用されたアジ化ナトリウムは劇物であるため、

現在では炭酸ナトリウムが使用されています。

尿をアルカリ性にすることでC-ペプチドの分解を防いでいます。