M蛋白と測定試薬の反応による混濁の発生
M蛋白
正常な血液中には、様々な抗原に対応する、様々な抗体が含まれています。
これは抗原の種類に対応して、抗体を産生する形質細胞が複数存在するためです。
一方、多発性骨髄腫などでは、単一の抗原に対応する抗体のみが増えます。
これは多発性骨髄腫などでは、様々な抗原に対応する形質細胞のうち、
一種類の形質細胞のみががん化することによります。
このように単一の抗原に対応する抗体をモノクローナル抗体といい、
多発性骨髄腫などで産生される場合にはM蛋白と呼ばれます。
M蛋白と試薬の反応による混濁の発生
M蛋白は検査に使用する測定試薬と反応して混濁を生じる場合があります。
M蛋白により混濁が生じた場合、検査結果に影響を及ぼすことがあり、
特に比色反応を用いる生化学検査では、吸光度の偽高値化が生じることがあります。
抗体である免疫グロブリンが異常高値であり、M蛋白の存在が疑われる場合、
生化学検査の結果の解釈には注意が必要となります。